転職

50歳からの転職体験記①

ハク

50歳からの転職体験記|評価されなかった職場から新たな挑戦へ

こんにちは。50歳を迎えた私は、長年勤めた会社を辞め、思い切って転職するという人生の大きな決断を下しました。「今さら転職なんて…」とためらいながらも、新たな一歩を踏み出すまでの葛藤と発見は、自分自身にとって大きな学びでした。

正直、50代での転職はリスクも大きく、失敗例も多いという話を耳にします。世間的にも「50代の転職は難しい」「現実的じゃない」といったネガティブなイメージが根強く残っています。同世代で転職を考えていても、最初の一歩が踏み出せずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そんな方々に向けて、「実際に50代で転職をしたひとりの体験談」として、少しでも参考になればと思い、このブログに私の転職をまとめることにしました。

このシリーズでは、私のリアルな転職体験を数回に分けてお届けします。第1回は、「転職を考えるようになったきっかけと、それまでの働き方」についてお話しします。

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やりがいと限界を感じた長年の職場

私が勤めていたのは、業界内でも大手といわれる企業。全国展開をしており、競合とのシェア争いが日常茶飯事の中で、常に結果を求められる環境でした。長年その最前線で働くうちに、私のキャリアも次第に上がり、最終的には複数部署を統括するマネージャーというポジションに就いていました。

マネジメント業務に加えて現場の実務にも深く関わることが多く、日々の業務量は相当なものでした。会議でのプレゼン、予算管理、顧客対応…。残業は当たり前で、仕事中心の生活が当たり前になっていました。体力的にも精神的にも大変でしたが、それでも「自分の力で結果を出せる」「会社に必要とされている」という実感がモチベーションになっていたのです。

やりがいは確かにありました。しかし、常に高い成果を求められ続ける緊張感は、年齢を重ねるにつれて徐々に重く感じるようになってきました。特に50歳が近づいた頃から、「この働き方をあと10年続けられるのか?」という漠然とした不安が心に芽生えてきたのを覚えています。

合併がもたらした価値観の変化

そんな中、大きな転機となったのが、会社の合併でした。長年ライバルとしてしのぎを削っていた企業と、業界再編の波にのまれる形で合併することになったのです。形式上は「対等合併」と発表されましたが、実情は私たちの会社が“吸収される側”という印象でした。

合併後の社内は、それまでの雰囲気とはまるで別の組織になったように感じられました。意思決定のプロセス、会議での空気感、人間関係。細かいルールひとつとっても、「これまでのやり方」がどんどん排除され、新たな体制のやり方に置き換えられていったのです。

特に私のような「旧会社側」の人間は、新しい体制の中での発言力や裁量を次第に失っていきました。以前はプロジェクトの中心にいた自分が、いつの間にか蚊帳の外に置かれているような感覚。組織の意思決定にも関与しにくくなり、自分の存在価値を見失いかけていました。

加えて、50歳という年齢。これまでの経験があるからこそできる仕事があるはずなのに、現場では「実績のあるベテラン」としての役割以上を求められなくなってきたのです。新しい挑戦の機会は与えられず、ただ“これまで通り”を繰り返すだけ。その状況に、次第に虚しさが募っていきました。

「このままでいいのか?」という問いとの格闘

当時の私は、生活面では決して不自由していませんでした。収入も安定しており、家庭もある。子どももまだ学生。冒険せずに今の会社に残り続けることが、一番安全で堅実な選択だということは理解していました。

しかし、心の中では毎日「このままでいいのだろうか?」という問いが繰り返されていました。年齢を理由にキャリアが止まり、仕事への情熱も失われていく。それが果たして、自分が望んでいた人生の姿なのか?

誰かに相談する勇気もなく、ネットで「50代 転職」「50歳からのキャリア」などと検索しては、ネガティブな情報にさらに落ち込むという日々が続きました。「どうせ自分には無理だ」と言い聞かせながら、でも心のどこかで「もう一度挑戦したい」と思っている自分もいたのです。

スカウトメールと面接で感じた“期待されている実感”

そんな中、1通のスカウトメールが届きました。送り主は、数年前に登録した転職サイト経由で、地元の中小企業の人事部長からのものでした。最初は期待もせずに何となく開いてみただけでしたが、その文面には「企業文化を変えたい」「経験者の力を借りたい」という強い意志が込められていて、妙に心を惹かれたのを覚えています。

ホームページや事業内容を調べてみると、確かに組織としては未成熟な部分が多い印象。でも、だからこそ「自分が活かせる場所があるかもしれない」と思い始めました。軽い気持ちで妻に相談すると、「話だけでも聞いてみたら?」と意外にも好意的な反応。これが私の背中を押しました。

面接は一次と二次の2段階。一次は人事部長、二次は役員面接でしたが、どちらも形式ばった堅苦しいものではなく、まるで雑談のような雰囲気で進みました。私のキャリアや価値観にしっかりと耳を傾けてくれたことに、心から安心感を覚えました。

何よりうれしかったのは、「あなたのような人材を探していた」「今の組織に足りない部分を補ってくれるはずだ」と、まっすぐに評価してもらえたこと。前職では感じることのなかった“期待されている感覚”が、久しぶりに胸に響きました。

「逃げ」ではなく「自分の人生を選び直す決断」

もちろん、最後まで不安がなかったわけではありません。50歳という年齢での転職、まったく異なる業界、これまでの生活とのギャップ。考えれば考えるほど怖さは募りました。

けれど、私は「何かから逃げるため」ではなく、「自分の人生を、自分の意志で選び直すため」にこの道を選びました。前職に残っていれば、安定は続いたかもしれません。でも、やりがいを失ったままの日々を過ごすことに、私は耐えられなかったのです。

50代は、決して“終わり”ではなく、これまでの経験や人脈、知識を活かして新たな価値を生み出せるタイミング。私は今、そう確信しています。

次回は、「転職を決意するまでに行った準備や心構え」について、さらに具体的にお話ししていきます。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

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ABOUT ME
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副業WEBライター
神奈川の片隅でひっそりと 活動している副業WEBライター 放置していたブログ運営を再活動 本業は下っ端会社員 よろしくお願いします。 自分が学んだことのアウトプットを していきます。少しでも良い 情報を届けれるように頑張ります。 このサイトはWordPress テーマは JIN:Rを使っています
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